(CM明け)
整列して、いよいよスタートです。
五合目まで、24km・標高差1255m。巨大な富士山を攻める。難攻不落の宇宙要塞ア・バオア・クーを攻める心境です。武者震いがします。
地元の偉い方のスタートのピストルがパンッと鳴りました!
いきなりきつめの坂が長く続きます。でも去年参加したので全然ビビらない。スイスイ走りました。
とにかく、何百人もの人がひしめく中走るのがとってもおもしろいです。抜きつ抜かれつで、道幅いっぱいをマッドマックスみたいにバトルしてる感じです。
10人くらい抜いた時なんて、ひょっとしたら自分はかなり速い男じゃんと錯覚できます。
逆に、抜かれてる時は、その時は辛い時なので、自分のことで精一杯なので、何人に(何十人に)抜かれたかなんてわかんないので、気にならないです。とにかく自分に都合よく走りました。
中間地点くらいで時計を見ると、45分くらいだったので、ひょっとしたら90分切れるかも!と野望がでてきました。
(90分の壁をクリアした暁には、けっこう速い人呼ばわりされることができます)。
だがしかし、その直後、右足に違和感を感じるようになり、強くペダルを踏むと、痛みが走るようになってきました!
「何ぃ~~!?」
これは恐らく、外側側副靭帯(がいそくそくふくじんたい)でしょう。長く走ると時々痛くなるのです。テーピングしとけばよかった。
坂は容赦なく続いています。無理してペダルを強く踏むと、つりそうになります。一回つりかけて、ほぼゼロキロになって足着きそうになり、挙動不審な動きになりました。(すぐ後ろで走ってた人、ソーリー。今は反省しています。)
ギアもインナーの歯を小さいヤツに換えて、一番軽くしていたのに、もう後がない状態です。。
それでも、勾配はせいぜい7%以下だし、しかも経験者なので、それほどパニクることなく、ごまかしながら走ることができました。
ふと、上の方から太鼓の音が聞こえました。地元の太鼓青年団の皆さんの気合のこもった太鼓の音色は、風林火山でおなじみの、最強の武田軍を思わせます。こちらもパワーがたまってきました!
勾配がやや緩くなったので、ガンガン回してみました。おや、外側側副靭帯が痛くない!?
よーし行ける!
見えるぞ、私にもゴールが見える!
終局である。最後のボーナスの平坦道では、35㌔くらいで走りつづけました。トンネルを越えて、いよいよ最後の坂です。
とうとうゴールを迎えました。90分の壁は残念ながら越えられなかったけ ど、去年の自分より15分も速くゴールできました!こんなにうれしいことはないです。
五合目は霧につつまれていて、富士山の頂上は雲に隠れて見えませんでした。信玄のみやげを買ってから、坂を下りました。最初は寒かったけど、次第に晴れてきて、最高に気持ちよい下り道を味わえました。
楽しかったです。